悩めるあなた今の会社にいていいのか？
毎日忙しいけど、このままで本当に自分の価値が上がるのか？
30代になり、仕事の責任が増す一方で、将来への漠然とした不安が頭から離れない。そんな毎日を過ごしていませんか？
時間がない中でキャリアを考えるのは重労働ですが、30代後半はキャリアの方向性が決まってしまう「ラストチャンス」です。ここで棚卸しを怠ると、40代以降の選択肢が極端に狭まってしまいます。
この記事では、忙しい30代会社員でも実践できる、最短で自分の市場価値を見極める「キャリアの棚卸し」の具体的なステップを解説します。そして、感情論ではなく、客観的なデータに基づいて「転職すべきか否か」を判断する3つの基準を提示します。
海野以前は「転職は35歳まで」と言われていましたが、終身雇用が弱まり、人材が流動化し始めた現代においては、明確な限界はないと思います。
しかし、40代以降の転職は「即戦力」が必須の採用なので、転職はできても、同業界や同職種に限られてしまいがちです。30代であれば、ギリギリ、ジャンルが変わる転職でも実現可能なので、30代の今、しっかりと考えておきましょう。
この記事を読み終える頃には、あなたのキャリアに対するモヤモヤは消え去り、自信を持って次のアクション（現職残留、転職、スキルアップ）へと踏み出せるようになります。
この記事がおすすめな人
もしあなたが、以下に一つでも当てはまるなら、この記事は、あなたの集中力を高めるきっかけとなるはずです。
毎日忙しいが、自分の「市場価値」が分からず不安を感じている方。
→客観的な「市場価値」を把握でき、漠然とした不安から解放されます。
転職を考えるべきか、今の会社で頑張るべきか、判断に迷っている方。
→感情論ではなく、データに基づいた転職判断基準が手に入ります。
過去の経験やスキルを整理し、自分の強みを明確に言語化したいが、方法が分からない方。
→経験を「ポータブルスキル」として整理する具体的な3ステップが分かります。
今の会社での給与や評価が適正なのか、客観的な根拠が欲しい方。
→転職エージェントなどを「測定器」として活用する具体的な方法が身につきます。
このまま40代を迎えることに焦りを感じ、今後5年で取るべき行動を明確にしたい方。
→現職残留・転職のどちらでも実行可能な、今後5年の具体的なアクション戦略が明確になります。
著者：海野 凪生太／暮らしをつくるファイナンシャルプランナー
保育園児２人を育てる30代
ファイナンシャルプランナーの知恵や自分自身の30代でのリアルな経験に基づき、発信していきます！
仕事や子育てに時間を追われて、余裕がないあなたのために、自分自身が役立った情報のみをお届けします。
【国家資格】
・ファイナンシャル・プランニング技能士２級
・宅地建物取引士資格試験合格
【民間資格】
・認定心理士（日本心理学会認定）
「キャリアの棚卸し」が、なぜ30代に必須なのか？
30代後半は「キャリアの方向性が決まる」ラストチャンスである
新卒で入った会社や、20代で転職した会社での経験が、30代後半には「職務経歴」としてほぼ確定してしまいます。企業が即戦力を求める30代中盤以降の採用では、「これまでの経験で、何ができるか」が極めて厳しく問われます。
35歳を過ぎると、未経験の業界や職種へのキャリアチェンジは、難易度が飛躍的に跳ね上がるのが現実です。多くの転職エージェントが「異業種転職は34歳まで」を推奨する背景には、この市場の壁があります。そのため、キャリアの方向性を再確認し、今後5年間で必要なスキルを意図的に積み始めるためのリミットが「今」なのです。行動しないリスクを理解し、このラストチャンスを活かす必要があります。
海野例えば、営業経験のある方であれば、業界を超えた転職で、売っていく商品が変わっても同じ「営業職」であれば、いくつになっても転職ができるかもしれません。
しかし、営業職自体が自分に合わないと気づいてしまっても、大きなキャリアチェンジが難しくなってしまうのが現状です。そのため、
忙しさにかまけて棚卸しを怠る「機会損失のコスト」
私たちは、タスク管理術や集中力向上の環境構築によって「時間」を捻出してきました。しかし、せっかく捻出した時間を生かしていかないと、結局、時間の無駄遣いになってしまうでしょう。生み出したその時間で「キャリアの棚卸し」はどうでしょうか。これを怠ると、「給与という形での機会損失」を支払うことになってしまいますので、忙しいを言い訳に後回しにせずに、やってみることが大切です。
自分の市場価値を把握しないままでは、会社から不当に低い給与で評価されていても、それに気づくことができません。30代は、会社の業務も任せられるようになり、新卒時代から比べると大きくスキルが向上しているはずです。
例えば、自分自身の市場価値が年収800万円であっても、会社に昇給を言い出せず600万円で妥協しているなら、年間200万円の機会損失です。まずは、自分の市場価値をしっかり見つめてみましょう。棚卸しにかける数時間〜数日の労力は、将来の収入アップという形で必ずリターンを生みます。この「無意識に失っているお金」の存在を強く意識し、棚卸しを最優先タスクに据えましょう。
海野新人〜20代の頃であれば、スキルが低いので、給料が上がらないのも仕方がないこと。しかし、私たちのように30代になれば、会社での勤務も長くそれなりのスキルを持っているので、給料が上がることが自然なことなのです。
さらに物価も上がり、社会が賃上げの流れになっている今であっても、給料が上がらない会社は、出ていくことを検討しても良いかもしれません。
タスク管理参考記事▽
40代以降に襲いかかる「スキル陳腐化」の恐怖
デジタル化やAIの進化により、ビジネススキルの寿命は驚くほど短くなっています。かつては学校で学んだスキルだけで、定年退職まで困らなかったかもしれません。しかし、私たちが生きる現代はそうではありません。20代で身につけた知識や手法が、40代になったときも通用する保証はどこにもありません。
棚卸しをしないということは、自分のスキルが市場で通用するかどうかをチェックしないまま、賞味期限切れに進んでいくのを傍観しているのと同じです。特に、日本では、特定の会社や業界でしか通用しない「社内スキル」が会社で学べるスキルの大半を占めているでしょう。この社内スキルをいくら積み重ねても、自社から飛び出したら通用せず、外部環境の変化にも対応できなくなります。
自分の持つスキルを常に市場と照らし合わせ、「今、何を学ぶべきか」を把握するためにも、棚卸しは不可欠なのです。
海野社内文章をいくら上手に書けるようになっても、それは社内だけで評価されるスキルであって、他の会社ではどうでも良いスキルということも多いでしょう。今いる会社に染まりすぎず、リスキリングの機会を持っていくことが大切なのです。
「漠然とした不安」は行動でしか解消されない脳の仕組み
30代の抱える「このままでいいのか」という不安は、「未解決の課題」として脳のワーキングメモリを常に占領し、集中力を奪います。これは、環境構築で解消できる物理的なノイズとは異なり、精神的なノイズです。この漠然とした不安は、どれだけポジティブに考えようとしても消えません。
不安を解消する唯一の方法は、具体的な行動を起こし、「自分の市場価値はこれだ」という客観的な結論を出すことです。キャリアの棚卸しは、不安を具体的なタスク（例：市場価値の測定、スキルアップ計画の立案）に分解する作業であり、あなたの精神的な安定を取り戻すための、最も効果的な一歩です。
海野私も会社に勤めていた頃、年上の先輩や上司がパソコンについていけずに苦労しているのをみると「自分も歳を重ねた時に、社会の変化についていけるのか・・・」と不安になったことを覚えています。
人間なので、歳を重ねるごとに新しいことについていくのが大変になるのは事実ですが、しっかりと捉えることで「不安」は少なくなるでしょう。この「不安」が人生から豊かさを奪っていく要因なのです。
転職すべきか判断する前に：キャリアの棚卸し3ステップ
棚卸しというと、転職時に提出するような職務経歴書を形式的に埋める作業ではありません。
過去の業務経験を「何を達成したか（結果）」「なぜ達成できたか（思考・行動）」という「実績ベース」で徹底的に書き出すことが大切です。単に「営業担当でした」ではなく、「既存顧客〇〇社に対し、単価交渉により売上を前年比15%増に貢献した」のように、必ず数字と成果を盛り込みます。そうすることで、改めて自分の経験を振り返ることができ、得意分野と苦手だったけどなんとか乗り切った分野など、自分の特性を見極めることができます。
特に30代の価値は、業務のプロセスではなく結果で問われます。この作業を通じて、あなたが会社に依存せず、個人として生み出せる具体的な価値を明確にし、次のステップに進むための自信と根拠を手に入れましょう。
海野次のキャリアのために、実績を明らかにすることも大切ですが、ここで特に重要なのは「自信」を手に入れること。私自身も転職の際に「自分のスキルは必要とされるのだろうか」と不安に思ってしまうことがありました。
そこで改めて、実績を書き出すことで「自分も頑張ってきて、成果を出してる！」と自信を持つことができ、前に進むことができました。
ステップ①で書き出した実績を、今度は「どこでも通用するポータブルスキル」と「特定の業界・職種で活きる専門スキル」「自社でしか通用しないスキル」に分類します。
ポータブルスキルとは、例えば「部門間の利害調整能力」「若手育成のマネジメント力」「問題解決のためのデータ分析力」などです。会社や業界が変わったとしても、活用できるスキルのことで、特に異業種への転換では評価されます。同じ業界の中で移動していくのであれば、専門スキル（例：特定プログラミング言語、金融法務知識）でも評価は高まりますが、市場が狭まってしまうため、今いる業界が「自分に合わない」と考えているのであれば、次のステップへはあまり役に立たないかもしれません。ここでは、ポータブルスキルが高いほど、あなたの市場価値は安定し、異業種への可能性も開けることを知ってください。
この分類により、あなたの「強み」が特定の業界によるものなのか、普遍的なビジネス資産であるかを確認できます。強みを正しく認識することが、今後の戦略の柱となります。
海野変化の激しい現代では、特定の業界でしか通用しないスキルは、その業界の衰退とともに、評価されないものになってしまいます。
そのため、国としてもリスキリングとして、新しいところでも通用するようなスキルの取得を推進しています。
棚卸しを終えたら、必ず複数（最低3社）の転職エージェントに登録してください。これは、すぐに転職活動を始めるためではありません。あなたが作成した棚卸し資料（実績シート）をもとに、「現在、あなたのスキルと実績に対し、市場でどれくらいの年収・役職がつくのか」という客観的な数字を提示してもらうためです。
こういうと怒られてしまうかもしれませんが、エージェントは市場価値を測るための「無料の測定器」なのです。現職残留を決めたとしても、この市場データは今後の給与交渉や目標設定に不可欠な情報になります。
感情論ではなく、データに基づいたキャリアの最終判断を下すために、まずは測定を完了させましょう。
海野「転職するか分からないのに、エージェントに相談するのは・・・」と気が引けるかもしれません。
しかし、そんなことはエージェントも慣れています。彼らは「絶対に転職する人」だけでは事業をやっていくことができないので、転職を決めた時に「頼ってもらえるエージェント」になるため、「今すぐの転職は難しい」という人でも、サポートしてくれます。
転職すべきか現職残留か？客観的な3つの基準
基準①：市場価値と現状の待遇の間に「20%」以上のギャップがあるか
転職エージェントから提示された市場年収が、現職の年収よりも20%以上高い場合、待遇が市場から大きく乖離している可能性が高いです。感情論ではなく、この具体的な「20%ギャップ」を基準に、転職を本格的に検討し始めましょう。
このギャップは、あなたの貢献が会社に正しく評価されていないことを示しています。もし現職残留を決めるとしても、この20%ギャップは、今後の給与交渉における強力な裏付けデータとして利用できます。給与はあなたの時間とスキルの対価であり、市場価値に見合った待遇を得ることは、プロフェッショナルとしての権利です。
海野特に日本人は「自分の価値を低く見積もりすぎる」傾向があります。正直なところ、私自身も自分を高く見積もることができませんでした。
感情論でいくと「お世話になった会社だから」「仕事に慣れて、ゆとりがあるから」と先送りにしてしまいがちですが、ひとまず、数字をもとに冷静に自分のことを評価してみませんか？
基準②：「専門性」を高める環境が会社にあと2年以上残されているか
30代後半以降は、「何でもできる人」よりも「〇〇のことならこの人」という高い専門性が評価されます。今の会社に、あなたが今後5年を見据えて「これだけは極めたい」と思える専門分野があり、それを高めるための「新しいプロジェクト」「上司からの指導」「必要な予算」といった環境が、あと2年以上残されているか冷静に判断してください。
もし、すでに学びが頭打ちになっている、あるいはルーティン業務ばかりでスキルが停滞していると感じたら、それは市場価値を下げ始めているサインです。成長機会が枯渇しているならば、環境を変えるべき時です。
海野かつては、どのプロジェクトに関われるかは上司次第というのがありましたが、最近では「プロジェクトへの社内公募」が行われている会社も多いでしょう。
「応募したら、そこまでスキルがないと言われそうで怖い」
「自ら手をあげたのに、役立たなかったら、恥ずかしい」
という気持ちもあるかもしれませんが、それでは成長機会を失ってしまうことになります。
失敗しても「手を挙げて、関われた自分を褒める」
こういう気持ちで取り組んでみてください。
社内公募がなくても、上司に「こういう仕事に関わりたい」と言っておくことも大切です。私の知人で「本が好き」と社内外で言っていたら、会社のプロジェクトとして選書に関わることになったという方もいますので、とにかくやってみたいことを声に出してみることがポイントです。
基準③：「人生の目標」達成のために必要な「時間」と「自由度」があるか
私たちは、タスク管理術を通じて時間を作り出す努力をしてきました。しかし、タスク管理をして生み出した、貴重な時間をすべて会社に吸い取られていませんか？
キャリアを考える最終目的は、「あなたの人生の目標（家族との時間、自己実現、健康）」を達成することです。もし現職が、あなたの目標達成に必要な「時間的な自由度」「資金」「場所の制約からの解放」のどれも提供してくれないなら、それは転職すべき最終的なサインです。
仕事は人生の目標を達成するための手段であり、すべてではありません。人生全体を豊かにするために、転職という選択肢を冷静に検討しましょう。
海野私自身も新宿で働いていたことがありましたが、その時に考えたので「通勤ラッシュに巻き込まれたくない」ということです。
そこで、まずは通勤ラッシュに巻き込まれない地方への転職を実現させました。振り返ると、この転職をきっかけに気持ち的な余白ができ、次への一歩を踏み出せるようになったとのだと感じています。
タスク管理参考記事▽
30代の「時間」は最も高価な資産である
あなたはこれまで、タスク管理やデスク環境の最適化を通じて、貴重な「時間」を懸命に作り出してきました。しかし、その時間で何をすべきか、明確な指針がないと、せっかく生み出した資産は「漠然とした不安」や「無駄な残業」としてすぐに消えてしまいます。30代にとって、この「時間」こそが、キャリアを形成する上で最も高価な資産なのです。
この記事で解説したキャリアの棚卸しは、この貴重な資産である時間を、将来の収入増と幸福のために正しく「投資」するための設計図です。過去の実績を「ポータブルスキル」として言語化し、転職エージェントという「無料の測定器」を使って自分の市場価値を客観的に把握する。これは、感情論を排してキャリアをコントロールするための唯一の方法です。
人間は、感情に流されてしまう生き物です。
もし、測定結果が示す市場価値と、あなたの現状の待遇に20%以上の大きなギャップがあるなら、それは会社からの評価と市場の評価が一致していない明白なサインです。そして、何よりも大切なのは、あなたの「人生の目標」です。今の会社が、目標達成に必要な「時間」や「成長機会」を提供してくれないなら、その環境に留まることは、あなたの未来に対する最大のリスクとなります。
行動を起こすことが、不安を解消し、キャリアを好転させる唯一の鍵です。まずは一歩踏み出し、転職エージェントに登録するという最もリスクの低い行動から始めましょう。
あなたの貴重な30代の時間は待ってくれません。今、この瞬間から、あなたのキャリアを自分で選び取り、納得のいく未来を構築していきましょう。